2024/04/18 21:59


珈琲豆の保存方法についてお話しをさせていただきます。


焙煎後の珈琲豆ですが、
結論から言いますと、保存方法として最適なのは、

「冷蔵保存」です。


冷凍ではなく「冷蔵」ですよ。

なぜかと言いますと、冷凍庫で保管した場合、扉(引き出し)の開け閉めをした際に庫内と部屋の温度差から結露が生じます。

焙煎後の珈琲豆にとっての1番の天敵は水分です。
水分に触れた瞬間から激しく劣化が進み、
味への影響も顕著に現れてきます。
場合によってはカビの発生もありえなくはないです。

普通に人生経験を積まれている方なら経験があると思いますが、冷凍食品を冷凍庫から出した際、出した瞬間から表面にうっすらと水分の付着が感じられると思います。

これと同じことが珈琲豆にもおきているのです。

焙煎後の豆をひとまとめにして冷凍庫で保存している場合、珈琲を淹れるたびに毎度毎度冷凍庫から取り出し、袋の封やフタを開け、グラム数を測りながら豆を足したり引いたり…場合によっては電話がなったり、周囲の人と世間話しをしたり……。

どうですか…。
冷凍庫から取り出してからかなりの時間が経過してますね(笑)。

確実に結露し、豆は間違いなく水分に覆われた状態になったはずです。

というわけで、普段飲み用の珈琲豆の保存は、室内との温度差の少ない冷蔵庫をおすすめいたします。

もうひとつ、よく耳にするのが、
冷蔵庫内に収納されている食品たちが発する匂いを珈琲豆が吸収してしまうため、珈琲の持つ香りや味が変化してしまうという説。

たしかにそのとおりなんです。
冷蔵庫内は匂いの宝庫ですから、珈琲豆に匂いがうつってしまう心配がおおいにあります。

ただ…、それは一昔前の話しですねw

わたしも20年前なら冷蔵庫ではなく常温をすすめていました。
…が、2024年、ジッパー付きのビニール袋や密閉度の高い容器など、「保存」ということに関して飛躍的な進化を遂げている現在、冷蔵庫に何が入っていようと珈琲豆に影響を及ぼすことは、まず考えにくいです。

視点を変えます。

珈琲豆というもの自体がとても香りの強い食品です。
ちょっと試していただきたいのが、その香りの強い珈琲豆を密閉容器やジッパー付きの袋に入れた時に外に珈琲の匂いが漏れていますか?

まったく漏れていないはずです。

要するに完全密閉の状態であれば、冷蔵庫内で常軌を逸するような強烈な匂いを発する食品と並べて保管をしていたとしても影響をうけることはまずないと言っていいでしょう。

もうひとつ付け加えるとするなら、
珈琲豆が周囲の匂いを吸収してしまうということであれば、常温保存でも状況は同じなのではないでしょうか。

例えば戸棚の開き戸の中や引き出しの中などに珈琲豆を保管した場合、その周辺に匂いを発するものがないとは言い切れませんよね…。

また、ご自宅でさんまを焼いたり焼き肉をしたりお好み焼きやたこパをしたりなど、常温保存の状況下にある珈琲豆たちにとっては絶望的とも言える匂い地獄です。

要するに、
「どこに保管をするか」ではなく、
「どのようにして保管するか」です。

周囲の匂いを吸収する特徴を持つ珈琲豆
に対しては、匂いを吸収させない工夫が絶対的に必要です。

ということでわたしからの提案です。

ご購入いただきました珈琲豆は、ご購入時に入っていた袋ごとジッパー付きのビニール袋、もしくは密閉容器に入れ、冷蔵庫にて保管をする。

という方法をおすすめいたします。

…が、どうがんばっても冷蔵庫内に空きスペースを作ることができないというケースも考えられます。
(お父さんだけが珈琲好きというご家庭ですと……、ごく稀にこういうケースもあったりしますよね…w)

この場合は(めげずに)、あらかじめ一度に使用する分をチャック付きの袋に入れ、小分けにして冷凍庫で保存してください。

例えば、珈琲を淹れる際に使用する1回分の豆の量が20gであったとした場合、あらかじめチャック付きの袋に珈琲豆を20g入れた状態のものを複数用意し、それらを冷凍保存します。

そして、珈琲を淹れる際には冷凍庫から一袋のみを取り出し、なるべくはやく挽き、そして蒸らしまでを一気に進めます。

これなら冷凍庫と室温による結露を最小限に抑えることができます。

反対に、数ヶ月にもおよぶような長期間にわたっての保存であれば、絶対的に冷凍庫での保存がおすすめです。

ただし、極端な言い方ではありますが保存期間内は極力冷凍庫の扉の開け閉めをしないこと。
これなら余裕で数カ月でもクリアできるはずです。

この場合も冷凍庫から出した際に必ず結露がおこりますので、いったん冷凍庫から冷蔵庫に速やかに移動し、数時間おいたのち冷蔵庫から取り出し室温にさらすという方法がいいでしょう。

以上、焙煎後の珈琲豆の保存方法についてのお話しでした。

最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。